第71回ロメーデー宣言
わたくしたちは、本日ここに20世紀最後の埼玉県中央メーデーを迎えました。
1886年、アメリカの労働者たちが8時間労働制を要求して、ヘイマーケット広場で起ち上がって以来、世界の労働者がメーデーに結集し、労働者の権利の確立、労働運動の前進を呼びかけてきました。
1920年に始まったわが国のメーデーは、戦前の労働運動弾圧下のメーデー、戦後の生活復興から高度成長時代のメーデーなど、それぞれの時代背景を反映してメーデーのもつ意義も変化してきましたが、その歴史は、世界の平和を希求し、ゆとり・豊かさ・社会的公正の実現を求める現在のメーデーヘと受け継がれてきました。
いま、連合は、21世紀を目前にして、新しい労働運動の構築に挑戦しています。メーデーのあり方についても、常に新しい視点での創造的な挑戦が求められています。
今日、わたくしたちが直面している生活と労働の環境は極めて厳しい状況下にあります。2月の完全失業率は4.9%と統計史上最悪を記録しました。この雇用不安の中で、政府は国民に負担増と給付切り下げを押しつける年金改悪法案を、強行成立させました。
さらに、労働者保護法を欠落させたままで、企業再編・分割をやりやすくする「商法改正」をゴジ押しし、勤労者に一方的にシフ寄せしてきています。
これらの雇用不安、生活不安が国民の将来への不安を一層拡大し、個人消費の停滞を招き、景気回復を鈍らしています。
新しく発足した森内閣は、このような国民の生活実態を無視した小渕路線を踏襲すると明言しています。このままでは、わが国の21世紀の展望は開けません。新政権が行うべきことは、議会制民主主義のルールに則り国会を解散し、国民の信を問うことです。また本年6月には県知事選挙が行われます。わたくしたちは、「環境優先・生活重視」を県政の基本理念に、この2期8年間、雇用対策をはじめ多くの分野で実績をあげてきた土屋県政の継承・発展と、より開かれた県政推進による「参加型社会」の実現をはかるため、土屋知事の三選必勝に全力で取り組みます。
中小・地場の労働組合と官公労働者は、今も春季生活闘争に粘り強く取り組んでいます。わたくしたちは、国民が安心して暮らせる社会を実現するために、労働者保護法の制定、安心の社会保障の実現、雇用創出の実現を求めていきます。
わたくしたちは、未組織労働者を含むすべての働く人々に呼びかけ、雇用・生活危機を突破するニッポンの世直し、暮らしの元気総行動に今こそ起ち上がります!
以上、宣言します。
2000年5月1日
連合埼玉・第71回埼玉県中央メーデー
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